2013年7月7日日曜日

アシアナ航空旅客機214便の事故について

アメリカ現地時間7月6日(土曜日)午前11時27分ごろに起きた航空機事故について、

私は、36年間デルタ航空会社の第一線で仕事をしてきた経験から、

今回のアシアナ航空214便の事故について、いろいろと

気になることがありますので、皆さんと共に、事故原因などを

推測したいと思います。

まず、今回の事故は、サンフランシスコ空港に着陸するときに

起きています。

よく言われる、魔の11分間に起きた典型的な航空機事故です。

魔の11分間について、ご存じない方は下記をご一読ください。


事故の原因


航空事故のおよそ8割は、機が離陸・上昇を行う際と進入・着陸を

行う際の短い時間帯に起こっている。このなかでも離陸後の3分間

着陸前の8分間の「クリティカル・イレブン・ミニッツ (魔の11分)」

と呼ばれる時間帯に事故は集中している。

[解説]

皆さんが、飛行機に乗った時にCA(Cabin Attendant) 客室乗務員から

「離着陸時の際は、電子機器のスイッチをOFF(電源を切る事)にしてください。」

と強くいわれるのはこの為です。

飛行機の操縦装置がデジタル化され、高度にコンピューター化された

為に、電波の影響を受けやすくなり、計器を狂わす可能性がある為に、

法律で決められるまでになりました。


事故の原因の続き

 
巡航中に発生する事故も少なくはない。

事故原因の大半は人為的なミス(操縦ミス、判断ミス、故意の操作ミス、

定められた手順の不履行、正しくない地理情報に基づいた飛行、飲酒等の過失など)、

または機械的故障(構造的欠陥、不良製造、不良整備、老朽化など)に

端を発するものとなっている。


航空事故を専門に追跡する planecrashinfo.com が

1950年から2004年までに起った民間航空事故2147件をもとに

作った統計[3]によると、事故原因の内訳は以下の通りとなっている。


37% - 操縦ミス

33% - 原因不明

13% - 機械的故障

7% - 天候

5% - 破壊行為(爆破、ハイジャック、撃墜など)

4% - 操縦以外の人為的ミス
(不適切な航空管制・荷積・機体整備、燃料汚濁、言語、意思疎通の不良、操縦士間の人間関係など)

1% - その他

またボーイング社が行っている航空事故の継続調査[4]によると、

1996年から2005年までに起こった民間航空機全損事故183件のうち、

原因が判明している134件についての内訳は以下の通りとなっている。

55% - 操縦ミス

17% - 機械的故障

13% - 天候

7% - その他

5% - 不適切な航空管制

3% - 不適切な機体整備

操縦ミスは依然として航空事故原因のほぼ半数を占めているが、

この数字は1988年~1997年期には70%もあり、

過去20年間に着実に改善されてきたことが分かる。

墜落

墜落は飛行中に突然発生することが多く、空港内だけでなく市街地、

海、山など墜落する場所を問わないため、市街地に墜落すれば

乗員・乗客だけでなく数十〜数千人の住民が巻き添えになる危険もある。


胴体が寸断されるなど、空中で跡形もなくなるケースと原型を

保ったまま墜落するケースがある。前者のように「胴体が寸断」され、

または「空中分解」すれば、パラシュートをつけずスカイダイビングを

するようなものになるため、乗客の生存はほぼ絶望的である。

後者の「原型を保ったまま墜落」するのも似たようなものではあるが、

機体構造が衝撃を吸収してくれるため、墜落場所と座席位置によっては

生存できる可能性がある。ただし墜落当初は生存していても、

その衝撃で火災が発生した時や、墜落場所が海の上や密林の

まっただ中であったり身体にショックを受けていれば脱出を図る前

ないし救助を待つ間に死亡することもある。

アシアナ航空214便の場合:


米サンフランシスコ国際空港で6日(日本時間7日未明)、

ソウル発のアシアナ航空旅客機214便が着陸に失敗し、

機体が地面に衝突して炎上した事故で、韓国国土交通省によると、

乗客291人の国籍は、日本1人、中国141人、韓国77人、 ...

米連邦捜査局(FBI)のデイビッド・ジョンソン捜査官は

今のところ、テロであることを示す証拠はないと述べた。

空港や近くのホテルから事故の様子を目撃した民間機のパイロット

の話を総合すると、着陸時の衝撃が通常より強かったようだ。

着陸装置から煙が上がった後、機体が滑走路上で回転し、炎上したという。


消防隊は正午過ぎには消火活動を行っていた。

炎や煙は機体の胴体部分の上部から上がっているようだ。

機体の左側から複数の脱出用シュートが下ろされているのが確認できた。

着陸装置の破片が滑走路上に散らばっているのが見えた。

胴体部分から200ヤード(約180メートル)ほど離れたところまで破片が飛ばされていた。

数人の目撃者によると、事故機が滑走路を走っている間に両翼がはがれ、

エンジンの1つが胴体部分の横に押し込まれる格好になっていたという。

尾翼も機体から分離しており、胴体の上部のほとんどが燃えて、天井部分がなくなっていた。

現場の映像には、事故機を脱出したとみられる複数の乗客が機体を

ビデオで撮影したり、写真を撮ったりする様子が映されていた。

 
[解説]
 
現在の旅客機の着陸時の操縦は、オートパイロットでも
 
着陸が可能なまでに、オートメーション化されています。
 
むしろ、オートパイロットで着陸しないといけないルールのはず
 
です。
 
事故発生時のサンフランシスコ空港の天候は、良好で
 
時刻は昼の午前11時27分ごろですから、視界は良く
 
パイロットが着陸に失敗する理由は見当たりません。
 
それなのに、飛行時間1万時間のベテラン機長の操縦する
 
B777が着陸に失敗したのは原因を想像することが
 
非常に困難です。
 
管制塔とのやり取りでも、B777が故障をしていたという
 
連絡はなかったという事ですので、ますます、原因を突き止めるのは
 
難しくなってきました。
 
えてして、このような好条件では、機長は副操縦士を教育する
 
意味で気まぐれに、オートパイロットをOFFにして、
 
操縦を副操縦士に一任する場合があります。
 
今回の事故は、機長が操縦していなくて
 
副操縦士が操縦していたような気がして成りません。
 
上の着陸失敗のイメージのイラストをご覧ください。
 
飛行機がRUNWAY(滑走路)手前で、一度岸壁に
 
尻餅を付いた格好です。 これは、
 
「日本航空350便墜落事故(にほんこうくう350びんついらくじこ)は、
 
1982年2月9日、当時の日本航空福岡東京行350便、
 
DC-8-61型機(機体番号JA8061)が羽田空港沖に墜落した事故である。
 
一般的に日航羽田沖墜落事故羽田沖事故日航逆噴射事故と呼ばれる。」
 
事故に、よく似ているような気がします。
 
お亡くなりになられた後部座席に座っていた2名の中国籍の若い女性は、
 
この時の衝撃で外に放り出されて地上に叩き付けられて死亡したのでは
 
ないでしょうか。 ご冥福をお祈りいたします。
 
岸壁に尻餅を付かなければ、バウンドをしないのでRUNWAY(滑走路)
 
から外れることもありません。
 
ですから、今回のアシアナ航空214便の事故原因は、2人のパイロットの
 
どちらかの操縦ミスの可能性が高いような気がしてなりません。
 
以下は、日本航空350便墜落事故の事故原因です。
 
参考までに、ご一読ください。
 

原因


この事故の直接の原因は機長の操縦によるものである。

機長が機体の推力を急激に減少させながら機首下げを行ったため、

機体は急に下降して滑走路の手前に墜落した。

後に機長は、この操作の直前に「イネ、イネ」

(去れという意味の「去ね、去ね」と思われる。

「イネ」と言うのは方言で使用されている地域もある)
という山彦のような声が聞こえ、その後は墜落直後まで気を失った
と述べている。
 
実際には墜落まで機首下げを行おうとしていたため、
副操縦士が「キャプテンやめて下さい!!」と絶叫しているが、
この時点では既に機長は判断能力を著しく失っていた可能性が高い。
機長はこれ以前から心身の状態が優れず、心身症の治療中であった。
その後の司法当局の捜査でも「妄想性精神分裂病」
(現在でいう統合失調症)であり、機体を墜落させるような
操作を行ったのは、病気の症状である幻聴などの影響を受けたものと判明した。
 
機長は業務上過失致死罪により逮捕となったが、
精神鑑定により統合失調症と診断され、
心神喪失の状態にあったとして検察により不起訴処分となった。
 
 
最後に、気になる機体の燃え方
 
上の写真を見るとわかるように、機体の炎上した部分が、
 
羽根の周辺があまり燃えていなくて、飛行機の前方部分が
 
沢山燃えているという事です。
 
これは、燃料から引火した火災ではないという事です。
 
通常、飛行機の燃料は翼の中に積んでいるので、
 
墜落した場合は、燃料が爆発的に燃えます。
 
ですから、今回のような事故の場合は、脱出用スライダー
 
(滑り台)から降りたらすぐに、飛行機から遠くまで
 
離れなければ安心できません。
 
燃料に引火して大爆発する可能性があるからです。
 
それなのに羽根の周辺が燃えていないという事は、
 
電気の配線がショートして火災が発生したと
 
考えられます。 このこともちょっと、気になりますが、
 
事故原因は調査が終わるまでは、特定できませんので、
 
皆さんもどんな事が原因かを考えてみてください。